第13章 繋がる想い
時音「……ウ…ソ」
時音は信じられないという眼差しでオレを見ている。
そのつぶらな桔梗色の瞳は驚きと不安で揺れていて、オレを見据えている。
オレはそんな彼女の右頬にそっと片手を添えた。時音はまたビクリと身体が跳ねたが、嫌がることはなかった。
「ウソじゃないよ。オレは本気で時音を愛している」
時音「でも秀一は麻弥のことがっ」
「喜多島は代わりだって言ったろ?」
時音「………じゃあ、どうして?なんで今まで私のこと避けてたの?」
「……時音を無意識の内に、意識してたんだよ。
自分の気持ちがよくわかった今なら、はっきり言える」
時音「……蔵馬。じゃあ本当に私のこと…」
「うん。好きだよ」
本気で想っているんだ。
その気持ちに偽りはない。
オレにはやっぱり 、キミだけなんだ。
「時音」
時音「?…キャッ!!」
時音の腕を強引に掴みとり、自分の腕の中に収めた。
状況が読み取れないのか、ピクリとも動かず固まったままの時音に、オレは自分の想いを言葉にしていく。
「時音、オレはキミのことが好きだよ。愛してる。
オレだけの女(ひと)であってほしいし、今も、これからもオレの隣にいてほしい。
キミの全てがオレのものだよ」
時音「く…蔵馬…////」
「オレ嫉妬深いから、独占欲スゴいよ。それくらいのこと、時音なら知ってるだろ?」
抱き締められた状態でオレの顔をチラッと覗く時音に、オレは優しく微笑む。
そんなオレを見て、時音の頬は桜色からますます紅潮していき、オレから目線を外す。
「時音」
「…なぁ…に…////」
オレが呼ぶと、恥ずかしそうに再度目線を合わす時音。
「時音、もう一度キミの気持ちを聞きたい」
すると時音は少し戸惑いを見せながら考えている。
しかし意を決したのか、オレの顔を桔梗の瞳にしっかり映しオレを見る。
そして、ゆっくりと…はっきりと言葉にした。