第36章 安息
和真君の家が見えてくると、家の前に二つの姿も見えた。
「あ、螢子ちゃんとぼたん」
ぼたん「お時ちゃんと灯夜ちゃんじゃないか!二人も今から桑ちゃんの家に?」
灯夜「うん、差し入れも持ってきたよ!」
あれから皿屋敷中学は休校状態となった。あれほどの騒動があれば無理もない。
和真君も螢子ちゃんも何事もなく生活出来ているようで安心した。
後は幽助が目覚めてくれれば問題ないんだけど…。
静流さんにあげてもらうと、上から大きな声がした。
?「黙ってたらわかんねーだろうがァ!何とか言え!!桑原!!」
この声は…
螢子「幽助!」
目が覚めたようね。
急いで二階へ上がり、ぼたんが和真君の部屋のドアを開ける。
ぼたん「なに大声出してんだい、幽助」
部屋に入ればビックリしながら固まってる幽助と、大笑いする和真君。それと苦笑いしている蔵馬。
何かまた悪ふざけでもしてたのね。
幽助にボコボコにされた和真君が倒れているが取り敢えず放っておくとして…。
ぼたん「いやー本当に危機一髪とはあのことだねェ。頭しばかれてダメかと思って念仏唱えてたさ!
意識がはっきりして周り見たらみんなぶっ倒れててさ、あ~~~幽助が勝ったんだって思ったねェ」
「そこに丁度灯夜が来てくれて良かったわ。今度は警察に捕まるところだったんだもの」
灯夜「小型転送機のお陰でもあるけどね」
幽助「小型転送機?何だそりっ!!~~って。何すんだよ時音!」
上手く誤魔化せたのが台無しになるところだったので、取り敢えず1発幽助を殴っておいた。
ごめん、幽助。
幽助も目覚め、元気そうなのもわかり、今日はこれでお開きとなった。
今回の事件で、霊界探偵としてまた更に成長したはず。
これからも今回のような命を懸けた戦いが待ち構えているだろう。
しかし、私達の命を懸けた物語はまだまだ序盤にすぎなかった。
そんな中、全てを定め動かす運命の歯車は、静かに音をたてながら…回り始めていた。