第33章 選考会
とうとう正体を現した乱童。
先程、怒り任せに乱童に攻撃をし続けた幽助だったが、今は元の姿に戻った乱童に苦戦する一方だ。
霊気の糸で体の身動きを封じられ、魔界漁で溢れている池の上につり下げられ、池の中に落下。
ぼたん「幽助!!」
もうダメだと思った時だ。
弱々しいが、後ろから小さな霊気を感じた。それと同時に、燈の呼ぶ声。
燈「姫君!」
「え?」
振り向く前に、その霊気は時音の横を通り抜け、まっすぐ幽助が落とされた池の方へ向かっていく。
「燈!」
燈「えぇ。間違いなく、彼の霊体です」
「…和真君」
ドーーーン!
大きな音と共に、とてつもない量の霊気が放出された。
池の周りには魔界漁達が全て吹き飛んでいる。
燈「どうやら彼のお陰で幽助さん、復活した様ですね」
「さて、ここからね…」
桑原の時にも使った縮身の呪術を今度は幽助に繰り出した乱童だったが、縮んだのは幽助ではなく乱童だった。
幻海「技に溺れたな、乱童」
「呪術っていうのは、術が失敗すれば、呪いは自分に返ってくる危険なもの。私はそれを陰陽術を通して痛感したわ。不用意に何度も使うべきじゃなかったわね」
乱童「失敗!?バカな!」
最後に小さくなった乱童に向かって倒れ込んでとどめを刺し、結果は幽助の勝利。
幻海「奥義継承者、浦飯幽助に決定!!」
晴れて幽助は、幻海の弟子となった。
(これから大変よ、幽助)
幻海の地獄の特訓を受けることとなった幽助に、同情するしかない時音であった。