第27章 タイムリミット
~蔵馬side~
暗黒鏡を使う日がやってきた
ただの時間稼ぎの条件を、時音は守った。
だから、オレは約束通り話さなければならない…
願いを叶えるために捧げるモノが何かを…
オレが今目の前で話せば、時音はオレを止めるだろう
そして『自分がやる!!』と言い張るに決まっている
だから…オレは、魔界の植物を使って彼女を眠らせた
ゴメン…本当に…
謝るしかない…
それ以外に何がある?
時音を眠らせ、オレのベッドに寝かせる。
手紙を書き残し、もう一度彼女にキスをして…部屋を出た。
母さんを助けるためにしたこと…
母さんを助けるためにこの命を捧げる
時音、オレがいなくなっても…幸せに生きて…
オレはそんな願いを心の中で呟きながら、家を出た。