第26章 猶予
目が覚めると蔵馬の部屋のベッドにいた。
「……あれ?私…確か蔵馬と…」
記憶を辿ってみる。
蔵馬に抱きしめられたと思ったら、急に謝ってきて…
そしたら今度は…キ、キスされて…//
で、気づいて起きたら…ベッドの上だった…
「……んー、どうなってるのかしら…」
ベッドから降りると、蔵馬の勉強机の上に一枚の紙があった。
「何コレ」
手に取って読んでみる
そこには、とんでもないことが書かれてあった。
私は急いで家を飛び出し病院へ向かい走った。
もうすぐ陽が沈むそしたら…
蔵馬…ヤダよ…
私を置いて行かないでっ!!
***
時音、キミに謝らなければならないことがある
その前に、オレの身に何かあったら…母さんやオレに関わった人たちの記憶を消してほしい…
これは、オレの最後の頼みだ
そして、願いを叶えるために捧げるモノ…
それは…
命だ
自分勝手だと思う…けど、わかってくれ…
愛してるよ、時音
***
私は涙を流しながら、ただひたすら走った。
「死ぬなんて、冗談、じゃ、ない…んだか、ら…
待ってなさい、バカ秀一!!!!」