第24章 愛情の形
「それより時音、そんなところに突っ立ってないでコッチおいで」
右手で手招きする。
勿論時音は何の疑いもなくオレの方へ普通によって来る
素直になった(戻った)のはいいが、もう少し警戒心を持ってほしいものだ……
目の前まで来た彼女の腕を掴んで、自分の方へ引き寄せる。
時音「キャッ!」
バランスを崩した時音は、見事にオレの足の間へスッポリ収まった。
オレは後ろから時音を抱きしめ、時音の顔を覗く。
時音「……あ、あの…秀一…//どした、の…////」
「そんなの、時音を抱きしめたかったから。
その他に何かある?」
オレの質問に時音は勢いよく首を振る。
顔を真っ赤にしがら
「こうしてるとね、落ち着くんだ……
キミの存在があることで、オレは初めてキミを愛せる」
時音「……秀一。でも…どうしたの?いきなり…」
「……母さんが病気になって、ようやくわかったんだ。
オレは母さんを……母親として、慕っていたんだ」
時音「……知ってる。ていうか、気づいてた。
蔵馬がおば様のこと慕ってるのなんて、ずっと前からよ?
だって蔵馬は妖怪だけど、妖怪でも人間でも半妖でも、あなたは蔵馬であり秀一なの。
どっちもあなたなの。
だから私は選んだり悩んだりしない。
あなたがどんな姿でも、どんな形で在っても、私はあなたが好き。愛してるわ。
だから蔵馬も、私を愛してくれたんでしょ?
私が…玉藻の生まれ変わりでも」