第24章 愛情の形
~蔵馬side~
オレは全て、時音に話した。
母さんが病気になって倒れたこと
母さんの病気が治らないこと
魔界の薬草を使って、病気を治す薬を作ってみたこと
飛影に《霊界の宝を盗む仲間にならないか》と誘われたこと
そして…
結局薬は使えず、飛影たちの誘いにのったこと
話しをしている間、時音は黙って聞いていてくれた。
時折、ギュっと手を優しく握ってくれる。
それだけで、オレの心は落ち着いていく…
時音「…辛かったね、蔵馬…。ゴメンなさい…」
「どうして時音が謝るの?」
時音「だって…私が変な意地を張ったりしなかったら…」
「キミのせいじゃないよ。コレは誰のせいでもないんだ」
時音「うぅ……」
時音は流れてくる涙を拭くと、オレの顔をジッと見る。
時音「蔵馬、おば様が退院できるまで側にいるからね」
「……ありがとう」