第4章 「最後に……。」
來美がツカイタワーに着いたことは、静まり返っていた。來美は、藤原が無事だという事を確認する。そして、そのまま來美は藤原の傍まで近寄る。
「コード:00、人見の後始末は、頼んだよ。」
藤原は、それだけを言って何処かへと歩き始める。來美は、目を見開く。よく見ると、人見は倒れて、一切動かない。
まさか…と來美は思い恐る恐る人見に近づく。人見の前で、しゃがみ込んで頬を優しく触る。人見から温もりを感じられなかった。逆に冷たかった。
そう、人見は死んだのだ。來美には、何も告げずに……。隣に座っていた桜の瞳には、涙が溜まっていた。
「來美ちゃん…人見先輩殿は……もう………。」
「………………死んだの……。私に、何も言わずに…。あれだけ、騒ぎを起こして………。最後に、声……聞きたかった……。コード:01の本当の人見に……。」
來美は、弱々しく人見に向かって言う。その時、ふわり…と來美を優しく抱き付く遊騎。遊騎の腕の中に収まってしまった來美。遊騎は、無言で來美の頭を優しく撫でる。