第3章 「新たな仲間」
更に、來美は左手にも光の剣を出現させ左で斬り掛かる。が、それも虚しく來美の左手首を掴む人見。
來美は、このままだと電撃をくらうと思っていたが、驚いた事に人見は來美の左手首を自分の方に引き寄せ、抱き締める。勿論の事、來美は驚いて目を見開く。
そして、そのままの体勢で人見は來美の耳元で囁くように言う。
「……すまなかった。」
「………えっ………?」
人見の声は、とても弱々しかった。來美の動きが止まり、人見の言葉に驚いていた。やがて、人見はゆっくりと顔を上げ來美を見る。
其処に写っているのは、かつてのコード:01の人見の姿。仲間思いで優しい…あの人見だ。來美からの目からそう見えたのだ。
「ひと、み?」
「本当に、すまない…來美。」
その時だった。バチッ!と電気の音が、來美の耳に入った瞬間、身体が動かなくなり意識朦朧となった。來美の手から剣が落ちて、消えていく。
「……っ……な、んで……?……ひ……とみ……こた…………えて………。」
來美は、なんとか言葉を発するがなかなか動かない。人見は、目を瞑り來美の頬に唇を付ける。そう、人見は來美にキスを落とすのだ。
「すまない……。後は、頼んだ……。」
來美が完全に意識を失う前まで、人見を見ていた。が、その人見は悲しそうな目をしていて尚且つ、どこか寂しそうな表情をしていた。そこで、完全に意識を失ったのだった。
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「………み…………。な………み………。來美!!」
「っ!!!??」
遊騎の声により、パッ!と目を覚ます來美。隣には、心配そうな顔をした遊騎の姿があった。