第3章 「新たな仲間」
「雪、一旦退こう。」
人見の一言に、頷く雪比奈。そして、吹雪が発生すると同時に、2人の姿が何処にもいなかった。遊騎は、溜息を1つ出して『エデン』が用意してある部屋へと來美を連れて行くのだった。
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翌日になり、來美はゆっくりと瞳を開ける。最初に目にするのはやはり天井だ。來美は、昨日の出来事を思い出す。遊騎に助けられた事を……。すると、バタンと扉が開く。其処には、遊騎の姿があった。
「來美、目ぇ覚ましたんやな?どっか、痛いとかないんか??」
心配そうに顔を覗き込む遊騎。來美は、クスリと笑い遊騎の頭を優しく撫でる。
「大丈夫だよ!遊騎が助けてくれたから…。ありがとう!」
來美がお礼の言葉を口にすると、遊騎の頬は少し赤く染めていた。赤く染めた事によって、何故か遊騎を心配する來美。來美が、遊騎に大丈夫?と問い掛けると、遊騎はコクリと首を縦に振る。
すると、遊騎は急に真面目な表情に戻して來美に伝える。
「あのな、6番から聞いた話やけど…。異能が効かない、人物が現れおった。」
遊騎の一言に、思わず目を丸くさせる來美。そう、異能が聞かない人物なんて初めて聞いたからだ。更に、遊騎から聞いた話では『エデン』は、その人物を保護するということで、大神がその人物の護衛をすることになった。
「異能が全く効かない。『珍種』だね。私も会ってみようかな~??」
「それはええけど、來美は暫く学校、休んだ方がええ。」
遊騎の言葉に、えっ?と声を出してしまう來美。そう、学校休んだ方がいい…というのはどういう事だろうか、と疑問には思っている筈だ。