第1章 「コード:00の存在」
人見は、微笑みながら言う。
「綺麗な黒髪だね。」
「………これ、本当の黒髪ではないです。」
來美は、少し早口で言い黒から金色に変える。人見は、驚きの表情をしていた。人見は、なるほどと呟いていた。來美は、人見を見て言う。
「そういう事です。コード:01。」
「確かに、コード:01だが………私は、人見という名前がある。私は、君の名前を知りたい。」
來美は、その言葉で黙り込む。その様子を人見は黙って見守っていた。そして、数秒が経ち大きく溜息をして、諦めたかのように話す。
「私は………龍河來美。改めて、宜しくお願いします。……人見さん。」
「……いい名前だね。宜しく?龍河。」
人見は、そう言い來美の頭を優しく撫でる。來美は、それが嫌なのか、すぐに人見の手を退ける。その行動に人見は苦笑をするのだった。
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あれから随分と時間が経ち、外はもう暗くなっていた。來美と人見は、あの建物の前に立っている。扉は、頑丈に閉まっていた。
來美は、スマートフォンで確認をする。画面には、ある男が映っていた。名前は、狛皓(はくしろ)。このまま男を殺すのが今回の任務だった。
「だいぶ頑丈に、閉まっているね。」
人見は、そんな事を言っている。
「…壊せば、入れますよ。」
來美は、そう言って右手が光り始めた。そして、ある一定の量を貯めて、その扉に向かって投げる。