第1章 「コード:00の存在」
不気味な笑みで言う藤原に対して、人見はフと笑い頷くのであった。その反応に安心する來美だった。その後、その建物の作戦が始まった。
決行は、今日の夜となった。來美は、説明を全て聞き終わった所で、部屋を出る。そして、「エデン」が用意してくれている部屋に向かう。
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自分の部屋に入ると、とても広く圧迫感がなかった。來美は、ソファーに座り目を瞑り息を吐く。
「……面倒な事になったな。」
そんな事を呟くていると………。
「何が面倒なんだ?」
突然、声が聞こえてきた為、ビクッと体が震えソファーから離れ、身構える。声を掛けてきたのは、人見だった。人見は、來美の行動に苦笑をしていた。
──てか、人の部屋に入ってくるとか、ダメでしょ。
そんな事を思っていると、人見は言う。
「惜しかったな。」
「………?何がですか?」
「もう少しで、顔が見えたのに。」
悔しそうな表情をしながらそう言ってきたのだった。來美は、人見を睨み付け言う。
「…………見たのですか?」
「いや………。でも、一瞬チラッとは見えた。結構、可愛いかったよ!」
「なっ!?か、可愛い!?」
來美は、可愛いという言葉に、驚く。それと同時に動揺してしまう。その隙に人見は、來美に近づき、フードを掴み下ろす。
完全に反応が遅れた。來美は、慌てて人見から離れて、もう一度、フードを被り直そうとすると人見は………。
「もう、隠す必要なんてないぞ。完全に、顔が見えたし。」
余裕の笑みを見せる人見に対して、來美は困惑の表情をするのだった。