第3章 「新たな仲間」
來美は、顔を上げる。其処に瞳に写るのは、強い意志だった。人見は、一瞬だけ悲しそうな表情を浮かべていたが、そうか…と呟くように言ってから、数歩後ろに下がる。その時、雪比奈が動いた。來美に向かって氷の刃を向ける。來美は、避け光の壁を作り出し氷の刃を防ぐ。完全に、お互いに戦闘モードだ。來美は、舌打ちをしながら氷の刃を全て防ぐが、この時來美の背後に人見が回っていた事に気付くのが遅かった。來美は、驚きながらも咄嗟に、左手に剣を出現させ攻撃をしようとした時、人見の方が速い為、來美の左腕を掴む。
「しま………ッ!」
0距離からの人見の電気をもろにくらう。
「ぐっ、あ………あぁぁー!」
來美の呻き声があがると同時に、左手に持っていた剣が地面にカラン…と落ちて消える。更に、言ってしまえば身体の自由が効かなくなった。來美の身体は、人見の方に寄りかかるように倒れ込む。人見は、來美を抱き寄せてお姫様抱っこで持ち上げる。
「君には来てもらわないと。『エデン』側については、厄介だからね。何せコード:00だからな。」
「ひと…………み………。」
抵抗しようとするが、身体は麻痺している為、そんな事は出来ない來美。言葉を発するのがやっとの思いだ。その時、頭上から音の波動が人見を襲う。それを分かっていたかのように、易々とかわす。
「そこまでや、1番!!」
其処には、怒りを露わにした遊騎の姿。來美は、横目で遊騎の様子を伺う。人見は、フと笑うのだ。
「幼馴染のご登場か。仕事が早いね。遊騎君。」
「來美を返して貰うで!1番、何が目的や?」
遊騎は、睨み付けるように人見を見る。