第3章 「新たな仲間」
「人見………貴方は…。」
「…それ以上は、何も言うな……來美。」
人見は苦しげな笑みを浮かべながら來美の言葉を塞ぐように言う。來美は、思わず口を紡ぐ。何を言っていいか來美は分からなかった。その時だった。來美の頭上から物凄いもの音が聞こえてきた為、咄嗟に避ける。來美が避けた場所には、鋭い氷の刃が地面に刺さる。來美の目の前に現れたのは、白いフードを被った男の姿。來美と同じの異能者だ。目を細めて來美は、警戒態勢へと切り替え光の剣を無数を空中に浮かべる。
「……雪比奈、今は止めろ。」
「…………………。」
そう、白いフードを被った男は雪比奈という名前だ。雪比奈は何も言わず人見が言ったとおりに、來美に攻撃をしてこない。
「……人見、貴方の本当の目的は何??」
「私は、『エデン』が間違った事に気がついた。このまま『エデン』が言ったとおりに動くのは嫌だとは思っていたんだよ。」
「…だから、裏切ったの?総理の暗殺を計画してたの?」
來美の言葉に、一瞬目を丸くさせる人見だがすぐに元の表情に戻る。
「其方には、そう伝わってるのか…。」
悲しそうな表情を浮かべて呟くように言う人見。その事に対して、來美は首を傾げる。人見は、雪比奈より一歩前に出て來美に手を差し伸べる。來美の動きが止まる。
「共に来ないか?『エデン』の間違えを正そうではないか。」
人見の目に写っているのは、優しいあの人見の姿。かつての人見だ。來美の瞳は大きく開かれる。しかし、すぐに俯きパチン!と人見の手を払う來美。勿論、人見自身も驚いてはいた。
「…人見…貴方とは一緒に付いて行けない。私は、コードブレイカーだ。」