第3章 「新たな仲間」
「朝から五月蝿いで………。」
「もう少し、静かに入って来られませんか?刻君?」
2人して、刻に注意をする。刻は、嫌な表情を浮かべながら、來美の部屋に入る。そして、ドサッとソファーに座る。
「大丈夫カ?來美ちゃン?」
「ん?あ。一応、目は見えないけど、大丈夫。」
來美は、平然と答えるが刻は複雑な表情を浮かべ、それ大丈夫とは違うが…などと言ったのだ。
「それで、今後の事を話に来ました。」
平家がそんな風に話をきりだす。來美は、耳を傾けて平家の話を聞く。今後というのは、恐らく仕事の件についてだろう、と予想する來美。
「貴方のロストが、解放され次第、私達と共に、仕事をしてもらいます。要するに、協力しながらやってもらう事になりますが……。」
「…………なるほどねぇ…。わかりました。それが、『エデン』の命なら、仕方ないですね。」
來美は、嫌々そうな表情をしながら頷く。どうやら、半分は納得してないみたいだが……。だけど、この事によって喜ぶ奴が、二名ほどいる。
「來美、ずぅーと一緒や!頑張ろうな?」
ムギュと來美に抱き付く遊騎。來美は、苦笑しながら、遊騎の頭を撫でる。そして、もう一名………。
遊騎の行動に、顔をムスっと歪む刻だ。
「來美ちゃん、宜しク!とりあえず、遊騎そこをどケ!」
遊騎は、來美に抱き付いたまま横目で、刻を見る。遊騎は、僅かに笑い刻に向かって、軽く舌を出す。そして、刻は、うぜぇー!と騒ぎ出すが、今目が見えていない來美の頭は、?となっていた。
平家は、呆れた表情をしながら溜息をしていた。
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あれから2日が経って、來美はロストから解放されたのだった。