第1章 「コード:00の存在」
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來美は、扉の前に立ちノックをする。すぐに、許可が出て入る。來美は、「エデン」つまり藤原に向かって軽く頭を下げる。
「それで、今回の仕事は何ですか?」
來美は、頬杖をついている藤原に言う。
「君には、ある建物にいる人物を殺して欲しいのだけれども………。」
藤原は、一旦言葉を止め、また喋り始める。
「その建物は、結構な人数と実力者がいるみたいだ。そこで、もう1人のコードブレイカーを連れて行く事を考えている。」
來美の目は、大きく開かれ怒りの混じった声で、藤原に向かって言う。
「総理!!そんなに私の異能の力が役に立たないのですか!?約束は!?」
藤原は、呆れた顔を見せるが、落ち着いた声で話す。
「安心しろ。コードブレイカーでも、コード:01だ。勿論、君の事を話さないようにする。」
來美は、目を閉じて大きく息を吸って吐く。そして、瞳を開け藤原に言う。
「…………わかりました。コード:01と共に、行動します。」
來美は、フードを深く被る。藤原は、ニヤリと黒い笑みを浮かべる。そのタイミングで、扉のノック音が聞こえ開かれる。
そこには、黒のセミロングに灰色の瞳の青年が部屋に入ってきた。
「総理、話というのは?」
とても、落ち着いた声で話す青年。藤原は、ニッコリと笑い言う。
「コード:01の人見だ。今回は、この2人で任務を行って、もらいたい。」
青年は、人見という人だった。人見は、フードを被った状態の來美を見る。
「えっと、総理。この子が?」
未だ信じられないという顔をする人見。藤原は、頷く。
「そうだ。コード:00だ。君も何か言ったらどうだ?」
「………コード:00です。コード:01宜しくお願いします。」
はっきりとした声で、來美は人見に向かって言う。……女?という声を出す人見だった。
「人見君、コード:00の事は、誰にも話すなよ?まだ、秘密だからね。」