第2章 「コードブレイカーの対立」
その様子から、人見は溜息をする。そして、人見は藤原に睨みつける。
「遊騎や來美が、可哀想だとは思わないんですか?」
「さぁ…どうだろうな。」
不気味な笑みを浮かべてそう言うのだった。人見は、諦めた表情をして部屋を出るのだ。
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次の朝となり、來美は目を覚ます。しかし、來美から見える視界は、真っ暗に包まれている。
「はぁ~…。……遊騎には、バレちゃったし、どうしようかな…。」
來美は、ポツリと呟く。今の状態では、來美は遊騎には、会えない。最悪なものだった。
「來美……起きたみたいやな。」
來美から見て左から声が、聞こえてくる。そう、遊騎の声だった。來美は、聞こえてきた方向を向き手を伸ばす。
「……ゆう……き?」
來美の手を優しく包み込むように握る遊騎。遊騎の手は、とても温かく安心すると思っている來美。
「無事で……良かったで……。………ホンマに………。」
遊騎の弱々しい声が、來美の耳に入る。來美は、ニコリと笑い言った。
「ありがとう、遊騎。そして…ごめんね。今まで、隠してて……。」
お礼の言葉と謝罪の言葉を、口に出す。遊騎は、驚き來美の顔を見る。しかし、今の來美は、遊騎の顔は見えていない。
「………ええんや、俺も気づいてへんかったし。……お互いさまちゅうことで。」
遊騎の言葉に、來美はクスッと笑う。來美は、上半身だけを起き上がらせ、もう片方の手で、遊騎に向かって伸ばす。
目が見えてないせいか、手探りで遊騎を探している。遊騎は、慌てて來美の手を掴む。
「どうしたんや?」
遊騎は、心配そうな表情をして來美に聞く。