第2章 「コードブレイカーの対立」
一方で、遊騎は1人で川沿いに座っていた。遊騎の表情には、少し複雑な顔を浮かべていた。
まさか、あの正体が幼馴染の來美という事にショックを受けているみたいだ。
「遊騎…此処に居たのか。」
遊騎の背後から声が聞こえてくる。遊騎は、振り返る。
「1番か……。」
そう、遊騎に声を掛けたのは人見だった。人見は、微笑み遊騎の隣に座る。
「遊騎、まだ信じられないか?」
「………せやな。まだ…何も言えへんな。」
人見の質問に、遊騎は弱々しく答える。人見は、空を見上げて言った。
「來美は……今病室にいる。もう少し私が、遅れたら危険な状態になっていた。」
「………ロスト以上の力を使ったやからな……。」
遊騎の言葉に、頷く人見。そして、人見は遊騎の頭をワシャワシャと乱暴に撫でる。
「まぁ…無理にとは言わない。心の整理がついたら、來美の所に行くといい。」
そう言って人見は立ち上がり、遊騎に背を向ける。そして、人見は………。
「來美は、今ロスト状態だ。何も見えないハズだから、サポートするといいかもな。」
遊騎に向かって、そうアドバイスをした人見は歩き出した。人見の言葉に、遊騎は目を丸くさせる。
「………何も見えない?……目が見えないっていうことやな……。」
遊騎は、人見の背中を見届けた後…遊騎は立ち上がり、來美が居る病室へと向かうのだった。
人見は、藤原がいる部屋へと向かい入る。其処には、泪と平家も居た。人見は、軽く藤原に向かって睨み付ける。
「随分と、強引なやり方にしましたね。まさか、私が居ないときに実行するとは…。」
藤原は、不気味な笑みを浮かべて言った。
「君が居ては、この計画は実行出来ないからね。この機会を私は、待っていたのだよ。」