第2章 「コードブレイカーの対立」
その時、來美の視界が急に暗くなる。まさに、ロスト状態となった。來美は、その場に膝から崩れる。
「………っ…………がぁ………。」
激痛で、声が漏れる來美。
「まさかと思いますが……ロストになったのですか?」
平家が、そう言って來美は少しピクと僅かに動く。目から流れる赤い液体。血の涙………。
「これなら、簡単に捕まえられるナ。」
刻が、姿を表し來美に近づこうとする。しかし、來美は……………。
その時、平家は少し表情を変えて刻に言った。
「刻君、離れなさいっ!」
「───リミッタ………解除。」
静かに來美は、そう言った。彼女の変化に刻も気が付き離れる。
そう………來美は『限界突破』を発動させたのだった。
そして、一斉に來美に攻撃をする。上から遊騎、左から刻、右から泪、正面からは平家だった。
來美は、時間をゆっくりと流しそれを全てかわす。そして、皆から離れる。
「平家先輩、どうしますカ?」
「まさか、ロストを越える力を持っていたのは、予想外です。」
「とりあえず、動きを止めないと話にならんで~…。」
來美は、その会話を黙って聞いていた。その時…………。
「目には目を、歯には歯を……。悪には悪を………。」
青い炎が、來美を襲い掛かる。來美は、風を起こし防ぐ。そして、その場から急いで離れる。
「………………っ…………。」
來美の口から、血が流れ始める。もはや、來美の口の中は、血の味しかなかった。
これ以上、時間を掛けると命に関わる。
(………早く、戻らないと………。)
來美の頭の中は、それだけでいっぱいだった。