第2章 「コードブレイカーの対立」
尚更、遊騎は來美の事を心配をする。遊騎に近づく刻。
「お、その声は…來美ちゃんカ。」
刻は、來美の声が聞こえたのか、そんな風に言った。遊騎は、刻から数歩離れた。
『遊騎、誰か居るの?』
「……無視してかまわへん。」
「酷いなァ~遊騎。」
刻がそう言ったら、電話の向こうから笑い声が聞こえてくる。來美の笑い声が聞けたのか、遊騎の頬が緩む。
「お見舞い行っても、ええか?」
『いいよ。』
「じゃあ、俺も行く!」
『刻は、学校に行きなさい。』
來美の意外な言葉に、目を丸くする刻。更に、來美は笑っていた。逆に刻は、困惑した表情をしていた。
「……ゆっくり休めや。」
『ありがとう、遊騎。また、後で。』
そう言って、お互いに電話を切る。そして、遊騎は歩き出す。
「おい、遊騎。何処に行くんだ?」
刻は、疑問に思って遊騎に質問をする。遊騎は、振り返り刻に言った。
「にゃんまるグッズを買って、來美にあげるんや。」
「………。」
刻は、呆れた表情をした。
「にゃんまるグッズで、元気になってほしいんや。」
「あのな………。」
刻は、遊騎に何て言えばいいかわらないみたいだ。そして、刻は深い溜息をする。
(まぁ………遊騎だからいいカ……。)
刻は、そんな事を思っていた。というか、諦めていた。
一方來美は………。まさか遊騎から電話が来ることに驚いていた。來美は、スマートフォンを枕の横に置いて天井を見る。
「ロストした方が、楽なんだけどな……。」
來美は、そんな事を呟いていた。
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あれからだいぶ時間が経ち、午後の1時となった。扉のノック音が、聞こえてきた為、來美は、目を開ける。
そして、扉が開くと其処には何かの袋を持った遊騎の姿があった。