第2章 「コードブレイカーの対立」
何をあげよう……と悩んでいた。兄は、來美の頭をワシャワシャと撫でて言った。
「まっ!明日でいいじゃねぇか。今は、寝ろよ。」
「うん、おやすみ。」
「………あぁ。おやすみ。」
お互いにそう言って、兄は來美の部屋を出るのだった。來美の頭の中は、何をあげようか、考えながら深い眠りについた。
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外は明るくなり、朝を迎えた。來美は、ゆっくりと体を起こし、制服に着替える。そして、リビングへと向かう。
來美の家族は、來美を見ると心配そうな表情をしていた。母は、來美に近づき言った。
「やっぱり、調子悪そうね……。学校には連絡しておくから今日は寝なさい。」
「……で、でも……。」
來美が、戸惑っていると父は、新聞を机の上に置いて、來美の頭を優しく撫でる。
「少しは、甘えたらどうだ?お前は、我慢し過ぎた。今日は、休めいいな?」
「………はい……。」
來美は、皆に逆らえずに弱々しく頷いたのだった。來美は、仕方なく今日は大人しく自分の部屋に居る事にした。
來美は、朝食を食べ終え部屋へと戻る。制服を脱ぎ普段着に着替える。
携帯を確認する。『エデン』からの連絡は届いていなかった。連続で、連絡が来ないのはとても珍しい事だ。
來美は、ベッドの方に移動して寝る。先程、起きたばかりだから、眠気は全く来ない。
一方で……。『エデン』に集まっている者がいた。遊騎は、携帯を取り出してある人と連絡を取る。
『ん?遊騎……どうしたの?』
遊騎が、連絡している相手は來美だった。心配で仕方なく電話をしたのだった。
「いきなり電話して、すまへんな。調子はどうや?」
『んー…あまり良くないかな。』
電話から聞こえる來美の声は、弱々しかった。