第2章 「コードブレイカーの対立」
遊騎は、優しい瞳で來美を見ている。
「なんや、寝てしもーた。よほど、調子が悪かったんやな。」
遊騎は、苦笑しながら來美をお姫様抱っこさせて、移動をする。來美の家に向かって………。
一瞬で、來美の家に着く。遊騎は、異能の力で、来たみたいだ。遊騎は、インターフォンを鳴らす。
すぐに、扉が開く。其処には、來美の兄がいた。遊騎の腕の中で眠っている來美に驚く兄。
兄は、遊騎を見て言った。
「久しぶりだな、遊騎君。すまないな、來美を運んでもらって。」
「そんな事は、ええんよ。体調悪そーやったし………。」
兄は、遊騎から來美を受け取る。遊騎は、心配そうな表情をしながら來美を見つめる。兄は、フと笑い遊騎に言った。
「ホント幼馴染は、良いよな。まぁ、來美の体調が良くなったら、遊びに来いよ。」
「……せいやな。また、来るで。」
遊騎は、そう言って來美の家から離れた。兄は、來美を部屋まで運びベッドに寝かせる。
そして、外が暗くなり夜となった。來美は、ゆっくりと瞼を開ける。最初に、映ったのは自分の天井だとわかった。
來美は、ゆっくりと起き上がる。すると、ガチャと扉が開いた。
兄が、食事を運んで来た。來美は、黙ってその様子を見ていた。
兄は、椅子を用意して來美の横に座り言った。
「……あんまり、顔色良くねぇな。大丈夫か?」
「そう見えるの?でも、大丈夫だよ。」
來美は、それだけを言って食事を受け取り食べ始める。その來美が食べている間、兄が今までの出来事を話す。
來美は、食べてながら聞いていた。そして、箸をおぼんの上に置いて、言った。
「遊騎に、お礼を言わないと………。」
「そうだな。何か、あげたらどうだ?」
來美は、悩む仕草をする。