第2章 「コードブレイカーの対立」
來美は、家を出て学校に向かうのだった。やはり、さっきから目眩がしていた。
ロストが近い合図だが、けして完全にロストしたわけではない。
その内、目が見えなくなるだろうと予想をする。暫くして、來美は学校に着き、椅子に座る。
すぐに、唯が来た。唯は、來美の顔を見たら驚いた表現をする。
「ちょっ!顔色悪いよ。保健室で休もうよ!」
「大丈夫だよ。すぐに、治るからさ。」
來美は、唯にそれだけを言って今日の授業を聞いていた。
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夕方になり、学校が終わる。來美は、今日の授業は殆ど聞いていなかった。
しかし、今日は『エデン』からの連絡は来ておらず、はっきり言って助かったと思っていた。
しかし、助かったとはいえロストが近い事には、変わりない。とりあえず、來美は目眩が酷く近くにあったベンチに座る。
そして、目を瞑り休める。少しでも、回復すればと思っていた。すると…………。
「……來美?」
遊騎の声が、聞こえてきて來美はゆっくりと目を開き見る。其処には、驚いた表現をする遊騎がいた。
「体調が、悪いんか?顔色が、酷いで。」
「大丈夫って言えば、嘘かな。でも、少し休んだら、平気だから。」
來美は、なるべく遊騎に心配掛けないようにそう言った。遊騎は、來美の横に座り軽く頭を撫でる。
來美は、首を傾げる。何故頭を撫でるのかがわからなかったからだ。
「遊騎?」
「撫でられるの、嫌か?」
そう遊騎に聞かれてしまったが、來美は首を左右に振る。
「ううん、優しくてとても温かい。」
來美は、そんな事を言って遊騎の肩に、頭をのせて、寄りかかる。そのまま來美は、深い眠りについた。