第2章 「コードブレイカーの対立」
人見は、來美におやすみと言ってからスマートフォンの電源を落とし、ポケットにしまう。
すると、遠くから遊騎が走ってくる。遊騎は、人見を見て言った。
「1番!変な奴、こっちに来てへんか!?」
恐らく変な奴とは、來美の事だろうと思った人見は、首を左右に振る。その様子から、遊騎はそうか、と言って溜息をする。
遊騎は、ポケットからスマートフォンを取り出し連絡をとる。
「あぁ。2番、俺や。あかん、見失ってもうた。」
連絡相手は、平家だった。
『そうですか、それは残念です。今日は、打ち切りにしましょうか。それでは………。』
平家は、そんな事を言って遊騎は電源を落とす。そして、遊騎は人見をみて言う。
「1番も、気ーつけてや。あやつは、何者かわからへんし。」
遊騎は、人見に背を向けて何処かへと歩き始めた。人見は、暫く遊騎をみていた。
「………あいつも大変だな………。」
人見は、それだけを呟いて何処かへと歩き始めた。
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朝を迎えゆっくりと起きる來美。また、今日から学校が始まる。息を吐き、スマートフォンの電源を点ける。
『エデン』からの連絡はなかった。とりあえずは、一安心だ。しかし、一瞬目眩がした。來美は、近くにある椅子に掴まる。
眼を押さえて、力無く笑い苦しげな表情をする。
「あはは…………。ロストが、近いな。どうしようかな…………。」
來美は、それだけを言って制服に着替えてリビングに向かった。リビングに着き、椅子に座る。すると、母が………。
「來美、顔色悪いわよ。今日の学校休んだら?」
母の心配は、よく伝わるがそれでも來美は、首を横に振る。兄は、來美の頭を優しく撫で、複雑な表現をする。
「…………止めないが、無理するなよ。」
「…………ありがとう。」
來美は、兄にお礼を言った。