第2章 「コードブレイカーの対立」
平家は、光の縄を構えて言う。
「『エデン』の命で、貴方の正体を掴み。連れて行きます。」
來美は、『エデン』という言葉に、息を呑む。そして、僅かに俯く。
(………どういうこと?『エデン』は、一体なにを?)
來美は、歯を食いしばってそんな事を思っていた。平家達は、構えていた。來美は、一旦心を落ち着かせる為、深く息を吐く。
そして、來美は顔を上げて、來美の周りに白く濃い霧を発生させる。平家達は、驚いていた。
「チッ……厄介な異能者だナ!」
刻は、そんな事を言った。來美は、完全に気配を消して更に、こっそりと風を起こす。そして、地を蹴り風の力で浮く。
霧が、晴れたと当時にその場から離れる。此処で距離をあけておかなければ、追いつかれる。
「俺が、追いかけたる!後で、連絡回したる!」
遊騎は、そんな事を言い音の異能で、來美を追いかける。平家達は、頷き行動する。
來美は、全力で『エデン』の場所に向かう。しかし、後ろから遊騎が追いかけてくる。
やはり、音の異能は一番速い。來美の風では、距離を離せない。來美は、地面に降りる。遊騎も、地面に降りる。
「もう、逃がさへんで。観念しーや。」
「…………っ…。」
來美は、本当は声を出したかったけど、それじゃあバレてしまう。幼馴染である遊騎には、バレたくないと必死だった。
遊騎は、僅かに口を開ける。その瞬間何が起こるのか、來美はわかっていた。遊騎の口から音の異能が、こちらを襲いかかってくる。
來美は、かわし近くにある川の上に浮かぶ。まだ、遊騎の攻撃は終わってなかった。また、襲いかかってくる。
來美は、息を吐き川の水を利用して防ぐ。
「あんさん、ホンマに何者や?」
遊騎は、來美に向かってそう言ったのだ。それでも、來美は答えない。來美の頭の中は、どうやってこの状況をどうしようかと思っていた。
來美は、川の水を使い遊騎の視界を奪う。遊騎は、目を見開く。その隙に、來美は風の異能を使いその場から離れた。
(………ごめん、遊騎。)
來美は、心の中でずっと謝り続けた。