第1章 「コード:00の存在」
藤原の目つきが変わり、來美は息を呑む。
「君の存在だが、コード:02の──────」
「平家 将臣が、感づいていると………。」
來美の言葉に、頷く藤原。來美はその様子からどうしようものかと、顎に手を当てる。藤原は、こっちでも何とかすると言った。
そして、今日の仕事の内容も説明された。今回は、どうやら1人で、行うみたいだ。暫く、人見と協力していた為、來美の心の何処かでは、寂しさを覚えた。
一方で、人見はコード:06とされる大神 零と共に修行をしていた。正確には、人見が大神の相手をしている。
竹刀を振り回し、しりもちをつく大神。そして、人見はにこやかに笑い大神にアドバイスをする。そして………。
「────まぁ、そう言う事だ。大神君。」
「君付け、止めて下さい。」
大神は、嫌な顔をして人見に言う。人見の表現はさっきから変わらないにこやかな笑みを浮かべるのだった。
「私を越える事が、出来たら止めるよ。」
そう言って、人見は大神に手を差し伸べる。大神は、最初戸惑っていたが、やがて人見の手を掴み立ち上がる。
人見は、大神に背を向けると大神は、人見に質問をする。
「………今、不思議な事が起きているのは本当ですか?」
人見は、大神の方をみる。大神の瞳は真剣だった。人見は、1つも表現を変えずに大神の話を聞く。
「聞いた話ですが、コードブレイカー以外で動いている人物が居る……と。」
その人物とは、恐らく來美の事だろう、と人見は思っていた。しかし、ここはあえて黙っていた。
「確かに、そんな話は私も聞いていた。」
「それで、更に聞いた話ですが─────」
次の言葉に、人見は耳を疑った。その話の内容は、人見は知らなく更に、來美も知らないのだった。