第1章 「コード:00の存在」
「流石ですね、遊騎君。」
平家は、不気味な笑みを浮かべる。遊騎は、平家に軽く睨み付け言った。
「今日、一日中監視してたやろ?それも………來美に。」
「やはり、気づいてましたか。」
ずっと、監視していた事を認めている台詞だった。それて、平家は目を閉じる。
「それで、遊騎君と彼女とはどういう関係ですか?」
「俺の大切な幼馴染や。それ以外、何があるんや?」
遊騎の声には、少し怒りが混じっていた。平家は、そうですか、とそれだけを言って、その場から離れようと歩き出す。
「2番、何が目的や?來美は、俺達には関わっていないはずや。」
平家は、振り向き遊騎を見て言った。
「確かに、彼女は私達とは関わりないですが……しかし、私の気配に気づいた事が、気になってしまっただけです。」
「2番の気配に、気づいてはった……?」
遊騎は、そんな風に言うと平家は、頷いてその場を離れた。遊騎は、無意識に來美の家を見つめていた。
そして、左手首にあるブレスレットに触れるのであった。
一方の來美は、自分の部屋で遊騎と平家の気配を感じていた。
「コード:02の平家は、感づくのが早い。バレなきゃいいな……。」
1人事のように呟く。暫くして、平家と遊騎の気配が消え、ホッとする來美。ベッドの上に転がり天井を見上げる。
そして、右手首を見る。今日遊騎とお揃いのブレスレットが、何よりも嬉しかった。更に、さっきの出来事を思い出すと、一気に体温が上昇した。
來美は、無意識に右頬に手を当てる。
「……どうしよう……。今日、眠れるかな…………。」
來美の頭の中は、キスというものでいっぱいのようだ。この様子だと、來美にとっては初めての体験だったみたい。
右手首にあるブレスレットに触れるのだった。