第1章 「コード:00の存在」
(……コード:02の平家 将臣は、何故此処に居るの?)
來美の心では、そんな風に思っていた。來美は、完全に平家の気配を感じていたが、それを無視していた。
一方で、隠れていた平家は少し難しい表現をした。平家は、本をパタリと閉じて來美を見る。
「………あの子、かなり敏感ですね。私の気配を感じるなんて………。」
平家は、息を静かに吐き來美達の後を追う。それも、あの來美にバレないように………。
來美は、遊騎と一緒に夜遅くまで遊んでいた。來美にとっては、時間の流れが早く感じた。
店を出ると來美は、遊騎の方を向いて言う。
「ありがとう!今日は、とても楽しかったよ。また、誘ってね!」
「俺も楽しかったで。家まで送って行くで。」
「えっ?いいの?」
「何言うとるやん?当たり前や、來美1人で歩いたら、危ないで。」
來美は、クスと笑いお願いします、と言って遊騎と共に來美の家に向かった。
暫くして、來美の家に着いた。來美は、遊騎にお礼を言った。
「ありがとう、遊騎!」
ニコリと笑う來美に対して、遊騎は微笑みでいた。遊騎の瞳が、來美を捕らえて…………。
「來美、いつでも俺を呼びいや。必ず、助けたる。」
遊騎は、そう言って來美の右頬に軽いキスをする。その行動に、來美は茫然とした。
そして、キスだとわかり來美の顔は、一気に赤く染まり俯く。
「………い、今のは………卑怯だよ………。」
「………おやすみ。來美。」
遊騎は、フと笑い歩き出す。來美も、俯きながらも遊騎におやすみと言って、家に入るのだった。
暫く、遊騎は歩いて足を止める。そして…………。
「2番、居るやろ?」
誰も居ない方向に向かって言う。すると、道の角から姿を現す。