第1章 「コード:00の存在」
暫くして、沢山の品から一つを選んで買う。それも、遊騎の奢りで…………。2人が、買ったのはブレスレットだった。
赤とピンクの小さな真珠があるブレスレット。勿論、赤は遊騎でピンクは、來美だった。
來美は右手首に付けて、遊騎は左手首に付ける。來美は、ニコリと微笑み遊騎を見て言う。
「ありがとう、遊騎!大切にするね!」
「俺も來美とお揃いで、嬉しいや。」
來美の笑顔につられて笑う遊騎。そして、遊騎は何か思い出して、真剣な表現をして言う。
「來美、昨日怖い想いせへんかった?」
「えっ?」
來美は、目を丸くさせる。昨日と、言葉をこぼし考える。昨日の出来事は、恐らくナンパの事だろうと思った來美。遊騎を見て言う。
「………確かに、昨日はとんでもない事が起きたけど……。どうして知ってるの?」
「いや、信頼している人から聞いた話や。話を聞いて、來美だってわかって確認したかったやん。」
來美の質問に即答する遊騎。やはり、泪とは知り合いだと此処で、よくわかる。遊騎は、來美の頭を優しく撫で………。
「大丈夫や來美。俺が、助けたる。だから、俺を呼びいや。」
來美は、暫く遊騎を見ていたがクスと笑い言った。
「うん、頼りにしてるよ。」
遊騎は、強く頷き來美の右手を握り締め………。
「折角や、色々見てこうや!」
「うん!」
來美は、頷いて遊騎の手を握り返し歩き出す。その様子を、影から見る者がいた。
怪しげな笑みを浮かべ、片手には謎の本を持つ者。そう、コード:02の平家 将臣だ。
來美は、何かの視線に気づき足が止まる。そのついでに、遊騎も止まる。
「どないしたん?來美?」
「ううん、なんでもないよ。行こう!」
來美は、首を左右に振り再び歩き出す。遊騎は、不思議な表現をしていた。