第1章 「コード:00の存在」
「人見、私は貴方に電話番号を教えた?」
『いや。教えて貰ってない。』
即答だった。電話の向こうから、少し笑い声が來美の耳に入ってくる。
『エデンに、教えて貰った。』
「………。」
『エデン』という言葉を聞いて、來美は溜息をする。どうやら、來美の連絡先を『エデン』から教えて貰ったらしい。
「………総理め………。」
來美は、人見に聞こえたいように、そう呟いた。そして、來美は、近くにあったベンチに座り人見に聞く。
「それで、連絡とは?」
『あぁ。また、来てくれないか?仕事だ。』
來美は、仕事?と人見に聞き返してしまった。本来なら、『エデン』から連絡が届くはずだ。しかし、来ない。
人見を通して、連絡したのではないかと考える。人見は、説明は着いたら話す、と言ってから携帯電話を切った。
來美は、溜息をしてスマートフォンをポケットにしまう。來美は、ベンチから席を立ち歩き出そうとした時………。
「そこの君!」
來美の後ろから声が聞こえてきたので振り向くと………そこには、柄の悪そうな男達……4人がいたのだった。
「……なんですか?」
來美は、その男達に警戒をする。男達は、來美を見ながらニヤニヤと笑いながら、言う。
「今、1人だろ?俺達と遊ばないか?」
これは、恐らくナンパというものだ。來美は、溜息をしてその男達の誘いを断る。しかし、その男達は諦めないようで、來美の周りを囲う。
恐らく、逃げないようにする為だと思う。男は、來美の右手首を掴むが、來美はそれを振り解く。
「………しつこいですね。あんまり騒がれたくは、ないのですが……忠告します。死にたくなきゃ去れ。でないと………。」
「でないと………なんだ?」
やはり、來美が睨みつけても、あまり効果が出ない。來美は、溜息をする。