第1章 「コード:00の存在」
その様子から、刻はケラケラと笑いながら言った。
「敬語なんて、使わなくてもいいヨ。俺、気にしてないかラ。」
「……では、遠慮なく刻と呼ぶよ。」
來美が、そう言うと刻はニヤリと笑い頷くのだった。刻は、來美の制服姿を見る。
「あレ?もしかして、これから学校?」
「うん、そうだよ。それじゃ、また会えたら、会いましょう。」
「あァ。わかっタ。」
來美と刻は、お互いに別れの挨拶をして、來美は学校に向かうのだった。まさか、此処で刻に会うなんて思ってもいなかった。
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來美は、学校に着き席に座る。そして、机に伏せて、皆が来るのを待っていた。すると……………。
「おっはよ!」
來美の後ろから、明るい声が聞こえてくる。來美は、頭を上げてニコリと笑い挨拶をする。
「おはよう、唯。相変わらず、元気だね。」
「そういう來美は、凄く眠そうだね。」
確かに、昨日は來美にとっては、遅く寝てしまった。そのせいなのか、來美はいつも以上の眠気が來美を襲う。
その時、來美の教室に顔を出す男子がいた。
「あの………龍河さん、居ますか?」
少し、オドオドとしていたが來美は、席から立ち上がりその男子に向かって言う。
「私なら居るけど?」
來美の声を聞いた瞬間、その男子はぱぁぁーと明るい表情をする。
「良かった!少し、お話があるんだけど、今いいかな?」
「ん?別にいいよ。じゃあ、唯後でね。」
「うん、いってらっしゃい。」
來美とその男子は、屋上へと向かった。
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屋上着くなり、男子は唯一の扉を鍵を掛ける。そして、來美とその男子が向き合って、男子は言う。
「その、龍河さんの事は前から好きでした!付き合ってもらえませんか?」
男子は、ペコリと頭を下げる。來美は、一瞬戸惑ったが自分の気持ちがわかっていたのか、來美は即答する。
「せっかくだけど、ごめん。貴方とは付き合えない。好きな人は、今もいないけどね………。」
來美は、謝りながらそう言ってその男子は、顔を上げる。その時、男子の目つきが変わった。來美を睨んでいた。
「あ~あ。俺が、せっかく告白したのに断るとかマジねぇな。」