第1章 「コード:00の存在」
人見と來美は、外に出て近くにある川まで来て、その辺の地面に座る。
そして、人見は夜空を見上げながら、來美に向かって言う。
「君みたいな子が、何故この孤独のコードブレイカーに入ったんだ?」
まさかの質問だった。來美の視線は、地面を写す。数秒黙り、ゆっくりと話す。
「……………コードブレイカーを選んだのは私です。そして、孤独も選んだのも……私が望んだからです。」
「…………望んだ?」
人見の言葉に、來美はコクリと頷く。人見は、來美を凝視する。それでも、來美は人見を見ない。そして、人見は僅かに微笑んで言う。
「……コードブレイカーに入った理由は、聞かないが………孤独を選んだ理由を教えてくれないか?」
「…………………………幼馴染が、コードブレイカーだから…………。」
來美は、弱々しく言う。人見は、幼馴染?と声に出していたので、來美は頷く。そして、來美は川を見詰めて………。
「…………その幼馴染には、知られたくはないと思って、孤独を選んだのです。」
「因みに、その幼馴染は、誰だ?」
「………………遊騎です。」
思わず、來美は答えてしまった。それは、後から後悔をしたが、今更遅い。人見は、そうか。と答えていた。
「そうだ。折角だから、私の事を人見と呼んでくれないか?後は、普通に喋ってくれないか?」
まさかの人見からのお願いらしき言葉が、出てきた。來美は、その言葉に目を丸くした。來美は、僅かに頬を緩めて、頷く。
「………わかったよ。人見。」
人見は、満足したかのような笑みを見せる。
「私も、君を來美と呼ぶよ。」
そう言って、人見は立ち上がる。そして、人見は軽く背延ばしをする。來美は、立ち人見を見て言う。
「………それじゃぁ。また。」
「あぁ。わかった。おやすみ。」
「…………おやすみ。」
お互いに、おやすみの挨拶をしてその場で別れた。人見は、『エデン』の場所へ。來美は、自分の家に向かった。