第1章 「コード:00の存在」
人見は、來美を止める。
「君がやる必要はないよ。私がやろう。」
人見は、そんな風に言い彼の雷を、発生させる。その雷は、センサーを壊す。そのついでなのか、頑丈な扉がバンッ!と大きな音を立てて開く。
「流石、コード:01ですね。」
「センサーと扉をいっぺんに、壊して騒がれるとこっちが、困るしな………。」
その人見の言葉に、苦笑をする來美。そして、ゆっくりと歩き始める。既に、建物内は黒のスーツを着た男達が集まっていた。
來美は、そんな事をお構いなしに、風を発生させ相手を吹き飛ばす。床、壁、天井に、叩き潰される。人見は、余裕の表情を見せながら、雷を発生させる。
あっという間に、全てを片付けた2人。再び、歩き始めるが………どうも、この建物内は広いせいか、目的の人物が見当たらない。
「……広いな………。ここの建物……。」
ポリポリと頭を掻く人見。來美は、動く足を止め一度息を吸って吐き、瞳を閉じる。そして、全神経を集中させる。人見は、その様子を見守る。
すると、來美は何かを感じたのか瞳を開ける。
「………見つけた。下側の居場所。」
そう呟いて、走り出す。人見は、その後追いかける。僅か数分で、下側が居るという部屋の前に着く。
此処まで走って、あの黒のスーツの男とは会わなかった。恐らくこの部屋に、多数の人が居ると予想する。
來美は、ゆっくりと息を吐き風の力で、ガタンっ!と扉を壊す。一気に視線が、來美と人見に集まる。
その中に、下側がいた。銃を一気に此方に向ける。そして…………。
バッババーンッ!
銃弾が此方に向かってきて、來美は氷の壁を出現させる。全ての銃弾を防ぐ。來美は、息を深く吐き………。
「……さてと、仕事を開始しますか。」
「龍河、背は任せた。」
「ん、了解です。人見さん。」