第1章 「コード:00の存在」
──────────────
────────
來美が居なくなった後、遊騎と刻はまだカフェ店に居た。
「でも、まさかナ~。遊騎に幼馴染が居たなんてナ。」
刻は、遊騎に向かって言うが、彼は來美が飲んでいたミルクティーのカップを見詰め、ポツリと呟く。
「前より笑えへんかった。」
「はァ?普通に笑ってたじゃねーのカ?」
刻は、不思議そうに言うが、遊騎は首を左右に振る。遊騎にとっては、違和感が覚える。遊騎は、コーヒーを飲み終え席を立つ。
「何があったか知らんけど………。4番、來美には近づかへんようにな。」
遊騎は、刻に向かって睨みつける。刻は、ニヤリと笑い席を立つ。
「へー。悪いけど、邪魔させてもらウ。」
ピクっと動く遊騎。その反応に面白がるように笑う刻だった。
──────────────
──────────
來美は、ノックして藤原の部屋に入る。一度頭を下げ、藤原に向かって…………。
「………今日の仕事は────。」
來美が言おうとした時、扉のコンコンとノック音が聞こえてきた。來美は、慌てていた。制服の為、顔を隠せない。しかし、バッグの中に入っていたフード付きのジャンパーを取り出す。
念の為、持ってきたのだった。急いで、顔を隠す。扉が開かれ………誰かというと………人見だった。來美は、人見だとわかり、ホッと胸をなで下ろす。人見は、いつも通りの口調で話す。
「…………総理、仕事は何ですか?」
「また、コード:00と共に、殺して欲しい人物がいる。」
藤原は、机の上にある書類を見ながら冷静な口調で話す。來美は、───またか、とそう思いながらも、ジャンパーを脱ぐ。
來美は、誰にも気づかれないように溜息をしていた。そして、今日の説明が始まった。