第1章 「コード:00の存在」
「遊騎、知り合い?」
コクリと頷く遊騎。それに対して、刻は來美の首に、右腕を廻す。刻は、ニヤリと笑い遊騎に向かって言う。
「遊騎、まさかこんな可愛い子と遊んでいテ。」
「…………4番、來美から離れろや。俺、怒るで?」
ムッとした表情で遊騎は言う。刻は、笑いながら來美からゆっくりと離れ席に座る。
「それで?2人の関係ハ?」
「…………幼馴染だよ。私と遊騎は。」
來美は、刻の質問に即答して、ミルクティーを飲む。──幼馴染?と声を漏らす刻。遊騎は、コーヒーを一口飲み思い出したかのように言う。
「なぁ、來美。髪の色変わってへん?」
「うん。学校の規則が厳しいから染めたの。」
來美は、髪の毛を触りながら言う。実際に、学校の規則もそうだが、何よりわざと來美自身がそう望んで選んだ事だ。正体を隠すために……………。
それは、幼馴染の遊騎は知らない。來美は、ポケットに入っていたスマートフォンを取り出し、画面を確認する。時刻は、5時を指す。來美は、一気にミルクティーを飲み続け立ち上がる。
「じゃぁ、遊騎。また、会おうね。えっと…………。」
「あぁ。俺は刻。ヨロシクー!來美ちゃン!」
刻は、來美に向かってウィンクをする。それに対して、來美は苦笑をして遊騎達に背を向け、歩き始める。スマートフォンを片手に持ち、バス停で止まる。
メールを開き…………『今日も、仕事が入ったので遅くなります。』その一言を打ち送る。その後、タイミングよくバスが来て乗り、「エデン」に向かう。