第10章 ~居場所~
今なオレを見兼ねた父が、新しい傅役を連れて来た
第一印象は、最悪
何故今な奴が、オレの傅役なのだと思った
頼んでも居ないのに、毎朝オレを起こしに来る
口を開けば、小言ばかり
剣の稽古をしろと、しつこく言って来る
しつこい奴だと、思った
打が、次第に
『こいつは、オレを怖れないのか』
そう、想う様になった
今な醜いオレを、何故怖れない?
何故こんなにも、オレに構う?
今な易しさは、始めてだ!!
オレは次第に、恐怖を感じた
彼奴が、オレに易しくする度に
オレに易しく、微笑む度に
『こいつも、オレの前から居なく為る』
そう、感じた