第8章 ~小十郎vs幸村~
「・・・・・・・・・ん・・・・・・んン・・・?」
布団の中で、政宗は身動ぎをした。
其に気付いた小十郎は、頬を緩めて政宗の頭を撫でた。
「・・・・・・起きたのか、政宗・・・?」
「・・・・・・ん・・・小十郎ォ~・・・」
政宗はまだ眠そうに眼を擦り、甘えた声を出しながら、小十郎にすがり着いた。
小十郎は、そんな政宗がいとおしかった。
「・・・どうした、政宗・・・?」
俺の傍に居ると言った貴方
理由は知らなくて良い
「まだ眠いなら、寝てて良いぞ・・・?」
俺の傍に居るならば、理由は簡単
俺が、好きだから
傍に、居るのだ
政宗は暫く、小十郎の温もりにすがって居たが、不意に顔を挙げた。
そんな政宗の表情に、小十郎は顔を険しくした。
「・・・・・・何かが・・・近付いて来る・・・・・・感付かれたか・・・」
「・・・政宗も・・・気付いたのか・・・」
小十郎の呟きに、政宗は只頷いた。