第6章 ~政宗奪還作戦~
そんな幸村の態度に、成実は苛付き、幸村を挑発した。
「・・・しつこいぞ貴様・・・あぁそうか、梵がこじゅ兄と出掛けて悔しいんだな?意中の人が、自分以外の人と出掛けるのが・・・」
「・・・何が・・・云いたいので御座るか、成実殿?」
幸村は、若干顔を歪ませた。
そんな幸村の表情に、成実が気付かない訳が無かった。
「矢張そうか・・・こじゅ兄の様子が可笑しかったのは、貴様のせいだな?」
「片倉殿の様子が?」
「梵も気付いてたんだよね、こじゅ兄の様子が可笑しかった事・・・打からこじゅ兄を連れて、遠乗りに出掛けたんだろうね。苦労ばっか掛けてるこじゅ兄の為にさ・・・」
「・・・・・・」
二人の事を話す成実の表情は、何処か易しそうだった。
成実にとって、否、伊達軍家臣にとって、政宗と小十郎が、なかむつまじいのは悦ばしい事なのだろう。
そんな成実の様子に、幸村は只、何も言えなかった。
打が、次の瞬間、幸村の顔が強張った。
「ー・・・だけど・・・梵とこじゅ兄の仲を切り裂く奴が居たら・・・俺は、許さないよ・・・?例え、貴様であっても、ね・・・?」
「・・・・・・っ?!!」