第1章 夢の夢だから夢のまま
しかし、痛みはなかなか引いてくれない。
というかここは、何処。
「…あなた、……リヴァイ兵長、ですよね…?」
「…ああ。兵士長ではないがな」
?
「…兵長、ですよね?リヴァイ兵長、…?」
何か。
何を言っているのだろうか。
人類最強の肩書きを背負う、調査兵団の兵士長、リヴァイ兵長ではないのならあなたは誰だ。
「…?なんの冗談を…っつ!!!」
痛みが増す。
この頭痛はなんだ。
でもこんなところでぼうっとしている時間は無い。
「…兵長、こんなところで、油売ってる場合じゃないです、よ…」
そう言って私は早く自分の持ち場に返って訓練しようとベットの端に脱ぎ捨てられたように置いてあるジャケットを拾い、腕を通した。
…やけに埃っぽい。
それに、兵長はじっと私を見つめたまま、ベットのそばから一歩も動かない。