第11章 11
「瑞希!大丈夫?」
『あ、奈央!大丈夫だよ!
病院ではただの打撲だって言われた!
球技大会も間に合うって!』
「良かった…」
『ありがとう、奈央
心配かけてごめんね。』
「…で、鈴宮くんと何かあった?
彼、すごい不機嫌で教室に
入ってきたんだよね・・・」
瑞希は翔の方へ目をやる
そこには入学式と同様に
机に突っ伏している翔がいた。
『それがよく分からないんだよね…
朝悠斗くんが家まで迎えに来てくれて、
さっき自転車置き場で翔くんに会ったら
もう怒ってたぽいんだよね
私なんかしちゃったかな?』
瑞希は自転車置き場での
翔との会話を思い出していた。
『あ、…もしかしたら朝送って
くれようとしてたのに
私が悠斗くんと来ちゃったからかな…』
「どういうこと?」
『今さっきね自転車置き場で言われたんだ
朝私の家まで来てくれて送り迎えを』
してくれようとしてったって
けど悠斗くんがいるからもう平気だろって』
「そうなんだ…
(でもそれって…)」
瑞希と奈央が話しているころ
翔は机に伏せたままだった。
「(なんで、あんなふうに
言っちまったんだ?
瑞希は何も悪くねぇのに…)」