第11章 11
~月曜日~
「瑞希!おはよ」
『悠斗くん、おはよ!
ごめんね…。遠いのに
わざわざ来てくれて』
「こんなのどうってことないって!
よし行くぞ!乗れよ。」
この2人の光景を後ろから
静かにみる一つの影があった。
その影はため息をつくと
自転車を走らせ学校に
向かうのだった。
2人が自転車置き場に着くと、
そこには翔がいた。
『翔くん!おはよー!』
「…おす。」
瑞希は翔くんのもとへ歩み寄った。
『土曜日はありがとうね!
助かったよ!』
「別に近所だしな。」
翔はすごく不機嫌そうで
瑞希は気になった
『(…なんか怒ってるのかな?)』
「…今日は悠斗と学校に来たんだな。」
『え!あ、うん。
遠いのに来てくれたんだ。』
「そっか。今朝お前ん家行ったら
悠斗がいたからさ、俺が送り迎え
しようと思ってたんだけど、
悠斗がしてくれるなら、平気だな。」
『翔くん?』
瑞希の呼びかけにも答えず
翔は校舎に入っていった