第3章 ひとしずく【沖田総司】
あなたがくれた物語ひとかけらでもなくせない分かつ痛みも愛しくてたとえ届かぬ願いでも…
私はあなたと過ごした日々を忘れません。あの日の事だっていまも鮮明に覚えてます。
「沖田さん、新選組と北上するって本当ですか?」
「あぁ、その事。うん、そうだけど?君は絶対に安全なここにいること。君が無事じゃなかったら元も子もないんだからね?」
「でも私…。沖田さんについていきます。だって沖田さんの体はっ!」
『もう長くない』…。それを言おうとすると涙があふれでた。知ってて尚、一緒にいられないのが哀しくて新選組と北上する間に死んでしまうかもしれないのに。今の沖田さんの体はもう持たない。