第1章 お前しか[坂田銀時]
伝えたいことだけを伝えて、帰る。銀時に会えたのに、あんな話したくなかった。でも最後の最期に銀時にさよならがしたかった。ただ、それだけだったのに、どうしてこんなに胸がいたいの?私がしたことは間違いだった?
「ほんとに、何がしたいんだろう。」
銀時side
あいつからあんな話を聞かされるとは思ってなかった。ただ久しぶりにあったから、世間話でもすんのかと思ってた。だからか反動が大きい。
けれど、1週間たった日の朝、俺は絶望を味わうことになった。
「おい、嘘だろ?」
俺のもとに一通の手紙が届いた。差出人は書いていない。内容は、
『銀時へ
この手紙を読んでるってことは私はもう死んだんだね。私は銀時と出会えてよかった。銀時はどう?甘いものの食べ過ぎには注意してね。私は銀時が好きだったよ。でも思いを伝えられなかった。臆病だったんだよ。私ね、夢があるんだ。銀時が、自分の大切な人達がみんな幸せになること。銀時、幸せになってね。大好きだったよ。』
とあった。差出人は書いていないけれど、なんとなく香蓮ではないかと思った。香蓮の字に似ている気がした。
その手紙は見れば見るほど、涙が溢れた。そして、
「俺にはお前しかいないんだよ…。」
と1人呟いた。