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③呪術廻戦〜脹相と恋人と絡み〜

第2章 体液がほしい



「……本当は、私が直接触れたり、口にしたりして確かめることもできるのかもしれないけど……」

「ダメだ」

即答だった。

「……え?」

「それは許さない。お前の身体に何かあったらどうする」

「……だよね」

予想していた答えに、私は苦笑した。

「だから、直接確かめるんじゃなくて、検体として分けてもらえたらなって……思ったんだけど……」

最後のほうは、だんだん声が小さくなってしまった。

脹相の顔を見上げる。

「……だめ、かな?」

上目遣いになってしまったのは、わざとではない。
ただ、断られたらどうしようと思うと、自然と彼の顔色をうかがってしまったのだ。

「…………っ」

脹相が息を止めた。

「……お前」

「う、うん?」

「……その顔は、やめてくれ」

「えっ、顔?」

「頼むから……」

彼は片手で口元を覆い、深く俯いた。
耳が真っ赤になっている。

「……俺が、断れなくなるだろう……」

「えっ、じゃあ、いいの?」

「そういう意味ではない!」

慌てて顔を上げた脹相に、私もびくっと肩を揺らした。

「あ、ご、ごめんね……!」

「……いや、怒っているわけではない」

彼は疲れたように息を吐いた。

「ただ……お前は、どうしてそう……」

「……?」

「……いや、いい」

何か言いたそうだったけれど、結局、脹相は言葉を飲み込んだ。

そして、しばらく考えたあと、観念したように尋ねてきた。

「……分かった。検体として渡せばいいんだな?」

「うん! ありがとう、脹相!」

ぱっと顔を明るくすると、彼はまた少しだけ顔を赤くした。

「……それで、具体的にはどうすればいい?」

「えっと……清潔な容器か、袋に入れてもらえたら……」

「……袋?」

「う、うん。硝子さんに確認して、検体として扱えるものを用意するね。無理のない範囲で、協力してもらえたら嬉しいなって……」

「…………分かった」

脹相は、なぜか天井を仰いだ。

「……少し、自室に戻る」

「うん。ありがとう!」

彼は立ち上がると、どこか覚悟を決めたような顔で廊下へ向かった。
その背中を見送りながら、私はふと思い出した。


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