第4章 ※もう一度検体を
そうしてシャワーを浴びて戻った私に、脹相は検体の入った袋を差し出してきた。
「え?」
「お前がシャワーに行っている間に取っておいた」
「え、ありがとう」
「ああ」
顔を赤らめ、視線を逸らす脹相に、私は小さく笑って抱きしめた。
「頑張ってくれてありがとう」
「いや、頑張ったのはお前の方だ」
「え?」
「嫌じゃなかったか?」
そう言われて途端に恥ずかしくなる。
それでも嫌じゃなかったことは伝えなければならないと思って向き直った。
「は、恥ずかしかったけど、ずっと、触れて欲しいと思ってたからっ!」
「い、嫌じゃなかったというか、嬉しかった…かな」
そう言ってチラリと脹相を盗み見ると、私以上に脹相の顔が赤かった。
「え、脹相、顔赤いよ?」
「いや、待て」
「?」
「嬉しすぎる」
「そっか」
脹相は、彼女を抱きしめながら目を閉じた。
温かい。
腕の中に、彼女がいる。
それだけのことが、こんなにも嬉しい。
最近は、彼女が眠ってからしか、ゆっくり抱きしめることができなかった。
眠っている彼女を抱き寄せ、髪に口づけて、起こさないようにそっと腕を回す。
そうしている時間も、もちろん幸せだった。
けれど。
彼女が起きている今は、何もかもが違う。
自分の腕の中にいることを、彼女自身が分かっている。
そして何より。
彼女は、今、自分のためにここにいてくれる。
「……脹相?」
腕の中から、彼女が小さく呼んだ。