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③呪術廻戦〜脹相と恋人と絡み〜

第1章 キス


夜、二人で暮らす部屋。

ソファに並んで座っていると、脹相が私の唇をちらりと見て、すぐに視線を逸らした。

その仕草には見覚えがある。
最近の脹相は時々こうなる。

キスをしたいと思っているのに、
あと一歩のところでためらってしまう。

「……脹相、まだ気にしてるの?」

「……ああ」

彼は隠そうともせずに頷いた。

「お前と口づけを交わすこと自体は、嫌ではない。むしろ……もっと触れていたいと思っている」

最後のほうは少しだけ声が小さくなっていて、思わず笑みがこぼれた。

「うん。私もだよ」

そう答えると、脹相は嬉しそうに目を細めかけた。けれど、すぐに表情を曇らせる。

「だが、俺の身体は普通の人間とは違う。血に特殊な性質がある以上、唾液にも何か影響があるかもしれない。今まで何も起きなかったからといって、絶対に安全だとは言い切れないだろう」

「……うーん」

「お前に何かあってからでは遅い。俺は、お前を傷つけたくないんだ」

私は彼の手を取った。

何度聞いても、その言葉には胸がきゅっとなる。

脹相は、私が思っている以上に自分の身体のことを気にしている。だからこそ、彼が抱えている不安を少しでも和らげられたらと思っていた。

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