第1章 その胡蝶、閨の教育係にて
「薬屋」の言葉に、壬氏の脳裏に浮かんだのは猫猫の姿だった。
確かに、猫猫ならば避妊の為に薬を調合するだろう。
しかし、このままこのまま姫を手放してなるものか···。
今手放したなら戻って来ないような気がして、壬氏はを横抱きにしたまま、ギュッと力を腕に込めてしまう。
─手離したくない。
─やっと、再会する事が出来たのだから。
閨教育係と称して、姫を呼んだが···結局、自分から手を出してしまった。
「い、痛いです。壬氏様」
「すまない!···、」
「何を、お考えになられているんです?···もしかして、物足りないのですか!?···でしたら、娼館へ···」
真剣に悩む壬氏を他所に、はとんでもない事を言い出した。
の発言に、中華鍋で頭を殴られたような衝撃を覚えた壬氏。
の心の中に、まだ、壬氏はいない···。
(さて、どうやってその気にさせた物か···)
全てはを自分へと振り向かせる為に─···。