【SPY×FAMILY】オペレーション・ヴェール【R指定】
第5章 OPERATION⑤
この部屋の電話に掛けてくる人物は一人しかいない。
ロイドが受話器を取ると、「俺だ」とフランキーの声がした。
『動いたぜ、お前の彼女』
そうフランキーが言うと、ロイドの眉がピクリと動いた。
ロイドは仕事を理由にセリーナに会いに行かなくなってから、フランキーにセリーナの尾行を頼んでいた。
押してだめなら、引いてみる。
そうして彼女に自由を与えた時に、セリーナがどんな行動をするのか監視するためだった。
『ここ三日は一人で自宅に帰るだけだったが、今日は男と一緒だ』
「は?」
フランキーの言葉に、ロイドは思わず低い声を漏らした。
『同僚っぽいけど、ただ一緒に帰ってるわけじゃなさそうだ。どこかに向かってる感じだぞ』
受話器を握るロイドの手に力がこもった。
まさか、男関係が出てくるとは思っていなかった。
なぜかロイドは、セリーナが単独行動しかしないと思い込んでいた。
ましてや、男と親しげに(←ロイドの思い込み)帰るなんて考えてもいなかった。
「……向かっている場所が特定できたら、すぐ知らせてくれ」
ロイドはそう言って受話器を置くと、椅子に腰掛け直した。
しかし今度は浅く座り、前かがみになったまま落ち着かなかった。