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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第16章 雄英文化祭編


かつては、人の手が近づくだけで怯えていた小さな女の子。

今では、自分よりも小さな赤ん坊に、こんなにも優しい手を伸ばしている。

その変化が、たまらなく嬉しかった。

「……エリちゃん」

「なあに?」

「優しくしてくれて、ありがとう」

エリはきょとんとしたあと、にっこりと笑った。

「だって、この子、小さいんだもん。優しくしてあげるの!」

「……そうね」

おもちは目を細め、エリの頭を撫でた。

「エリちゃんは、とっても優しいお姉さんね」

「えへへ……」

褒められて嬉しそうに笑うエリ。
その腕の中では、赤ん坊が満足そうに小さな手を動かしていた。

おむつも替えてもらい、泣き止んで、すっかり機嫌がよくなったらしい。

おもちは赤ん坊の額にかかった髪をそっと整えた。
艶やかな黒髪。
大きな青い瞳。
そして、思わず見惚れてしまうほど整った顔立ち。

まだこんなに小さいのに、どこか不思議な懐かしさを覚える。

「……あなた、本当に綺麗な瞳をしているのね」

赤ん坊は、じっと彼女を見つめ返した。
その瞳に映る自分の顔を見て、おもちはなぜだか胸の奥が温かくなるのを感じた。

まるで、ずっと前から知っている誰かに見つめられているような。

そんな、不思議な感覚だった。
けれど、今はまだ、その理由を考えることはしなかった。

「さあ、そろそろ戻りましょうか」

おもちは赤ん坊をしっかりと抱き直し、エリに微笑みかけた。

「お兄ちゃんたちが待っているものね」

「うん!」

エリは元気よく頷くと、赤ん坊の小さな手に、もう一度そっと触れた。

赤ん坊は、小さな指をきゅっと握り返した。
それだけで、エリの顔がぱあっと輝く。

「お姉ちゃん!また握ってくれた!」

「ふふっ。エリちゃんのことが好きなのかもしれないわね」

「ほんと!?」

「ええ、きっと」

おもちは笑いながら立ち上がった。

腕の中の赤ん坊は、すっかり安心しきった様子で、彼女の胸元に頬を寄せている。

その小さな重みと温もりを感じながら、おもちは女子トイレを後にした。

廊下の向こうには、きっとまだ、母親を待っている兄弟たちがいる。
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