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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第16章 雄英文化祭編


おもちは真剣に耳を傾け、言われたとおりに呼吸を整えた。

「そうそう!その調子!」

「こうかしら?」

「うん、いい感じ!じゃあ、次は声を前に飛ばすイメージで!」

二人は顔を見合わせ、何度も声を出してみる。
最初は少し恥ずかしそうだったおもちも、次第に楽しそうに笑うようになった。

「……あ、今の感覚、少しわかった気がするわ」

「でしょ!その感じ!」

「耳郎さん、教えるのが上手ね」

「えっ……そ、そう?」

不意に褒められ、耳郎の頬が赤くなった。

「いや、まあ……音楽のことなら、いくらでも教えるけど!」

「ふふ。頼もしいわ」

そのやり取りを、爆豪はドラムセットの向こうから眺めていた。


楽しそうに笑う彼女。
自分の知らないことを、素直に教わろうとする彼女。
何かを覚えるたびに、嬉しそうに目を輝かせる彼女。


――なんなんだよ、マジで。


彼女は二十一歳だ。
自分たちより五つも年上で、すでに働いていて、公安の任務で危険な現場を経験してきた。


それなのに、こうして自分たちと一緒に制服を着て、放課後の練習に夢中になっている。

その姿が、どうしようもなく眩しかった。
大人だからといって、何もかも完璧なわけではない。

むしろ、彼女は知らないことを知らないと言い、教えてもらったことを一生懸命に吸収していく。

その素直さが、爆豪にはたまらなかった。

「……クソが」

顔を背け、片手で口元を覆う。

「爆豪?何、また文句?」

上鳴が気づいて声をかけた。

「うるせぇ。黙って練習しろ」

「いや、さっきからお前、おもちのこと見すぎじゃね?」

「……あ?」

「いや、だってさぁ」

上鳴はにやにやと笑った。

「ドラム叩いてるときも、演奏終わったあとも、ずーっと目で追ってんじゃん!」

「殺すぞ」

「はいはい、怖い怖い!」

上鳴は笑いながら逃げていった。


爆豪は舌打ちしたものの、否定する言葉は出てこなかった。
図星だったからだ。

そして、その様子を少し離れた場所から見ていた緑谷も、また別の意味で落ち着かなくなっていた。
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